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貯金・定期預金コラム:
利回り10.5%!クラウドクレジットは魅力的?

定期預金や貯金に関連する最新のニュース、コラムから感じることを徒然なるままにつづっております。少しでも読者のみなさまの参考になれば幸いです。今回、取り上げる記事はこちらです。
2016/9/29 <クラウドクレジット

クラウドクレジット




※抜粋

編集部からのコメント

当方のサイト上でアヤシイ投資商品の広告が表示されているのを見たのをきっかけに、これまで連続してそうしたグレー商品の危険性について素人なりに分析してきました。

そして今回取り上げるのはクラウドクレジットですね。割と控えめな広告内容や落ち着いたWEBサイトには好感を持ちますが、現状このような商品群が並んでおります。



字が小さくて申し訳ないですが、期待利回り10%前後の商品ばかりということですね!なかなか魅力的です。

ただし、当サイト利用者の方は良くご存じの通り、ノーリスクで10%のリターンということはありえません。この世にあるのはローリスク・ローリターン、ミドルリスク・ミドルリターン、そしてハイリスク・ハイリターンの3つだけですね。

あえて「ノーリスク・ノーリターン」を付け加えてもいいですが。

とするとこれらのファンドにはやはり10%近いリスクが「ないとおかしい」ということですね。

逆にそうしたリスクが積極的に開示されていないのであれば、「疑わしさ」は増していくことになります。

そんなわけでこれらの中でおそらく定番商品になっているものと思われる「ペルー小口債務者支援プロジェクト23号」を詳しく見てみたいと思います。期待利回りは10.5%ですが、その裏返しとしてあるはずのリスクは何なのでしょうか?

その第一歩としてまず商品内容を見てみるとこうなっています。



全くもって不十分ですね!「リスク低減の仕組み」は述べられていても、肝心のリスクに関する説明はありません。

そこで「投資スキーム」を見てみるとこうなっています。



何だか急に話が複雑になってきましたね・・・クラウドクレジットはまず集めた資金をクラウドクレジット・ペルーに貸し付け、クラウドクレジット・ペルーはその資金で不良債権を買い取ってきて、購入金額以上に回収することで利益を上げ、その利益を元に日本の出資者に利益が配当される、ということのようです。

例としては「100万円程度の不良債権を4万円で購入し、6万円の返済を受けることで2万円の利益を上げる」と説明されていますが、もちろんこれは実績とは何の関係もありません。あくまでたとえ話です。

そうしたわけでこのスキームのリスクを精査するためには以下情報が必要です。

1.クラウドクレジット・ペルーの不良債権回収実績

2.クラウドクレジット・ペルーの財務状況・損益状況

3.(日本の)クラウドクレジット社の財務状況・損益状況

4.為替リスクの有無

そもそもクラウドクレジット・ペルーのこの不良債権回収ビジネスがうまく行っているのかどうか知る必要がありますし、仮にうまく行っていたとしてもペルー社全体では赤字だったり、大きな財務リスクを抱えているのであれば意味がありません。

また日本の投資家が投資する方法としては(日本の)クラウドクレジット社に一旦、出資する形をとるようですので、日本社が利益を上げていなければこれまた意味がないですね。

加えて、最近では大きく円高が進んでおりますので、為替リスクについても気になるところです。

残念ながら投資スキームを説明するページでは具体的なリスクの説明はないようですので、そこで「主なリスク」ページをチェックするとこのような記載があります。

−−−

1.延滞債権の回収リスク

当社が行うペルー子会社への貸付は、ペルー子会社が行う延滞債権への投資収益のみを返済の原資としています。そのため、延滞債権にかかる債務者の信用力の全体的な悪化などでペルー子会社への貸付の回収が予想通りになされなかった場合、本事業における収益の減少または費用の増加がもたらされるリスクがあります。

2.為替リスク

当社はペルー子会社に円建てで貸付を行いますが、ペルー子会社はソル建てで投資を行うため、お客様は間接的にソル/円の為替リスクを負うことになります。また、ペルー子会社から日本への借入金の返済時にはドル建てで送金しますが、お客様には送金から日本への着金までにドル/円の為替レートのリスクを負って頂くこととなります。レートの変動によって分配金は増減します。

3.KOBRANZAS S.A.Cおよび当社の信用リスク

ペルー子会社は、延滞債権の回収業務をKOBRANZAS S.A.Cに委託します。したがって、KOBRANZAS S.A.C、当社またはペルー子会社が当該業務の遂行が困難ないし不可能となった場合に、本事業における収益の減少、または費用の増加がもたらされるリスクがあります

4.法制度の変更リスク

日本国またはペルー共和国において、本事業の遂行に影響を与える法制度(両国間における租税条約及び税制を含むがそれに限らない)が変更された場合、本事業における収益の減少または費用の増加がもたらされるリスクがあります。

5.カントリー・リスク

ペルー子会社の事業は、ペルー共和国内において行われます。そのため、ペルー共和国の政治経済情勢等の要因による影響を受けて本事業において想定外の費用または損失が生ずるリスクがあります。

6.元本損失のリスク

上記記載のリスクに加え「契約締結前交付書面」に列挙したリスクによりお客様の出資金について元本の損失が生ずるリスクがあります。

−−−


網羅されているのは良いのですが、全く不十分です・・・というのも「数字」がないからですね。「延滞債権の回収リスク」があると言われても今がどれくらいで、これまでがどれくらいで、そして業界全体としてはどれくらいなのか、と言った情報がなければ判断のしようがありません。

ただ「リスクを説明した」というアリバイが残るだけです。

正直、ペルーのことなので記者もサッパリ分かりません。

唯一明確なのは、この投資にはペルーの通貨であるソルの為替リスクがある、ということです。ということでソル円のチャートをチェックするとこうなっています。



期間2年のチャートですが、2年前は1ソル=40円前後だったものが今は30円前後と大幅な「円高ソル安」が進んでいるということですね!ざっくり言えば25%の「為替差損」が出ているということです。

この商品は上記キャプチャーの通り、「2年の運用実績」が売りなのですが、仮に2年前の利回りが同じ10.5%だとすると、2年間の利回り合計=約21%はこの為替差損によってキレイに全て吹き飛ばされた、ということですね。いやはや。

要するにこの会社が投資家に伝えないといけないのは、「2年の運用実績」ではなく、「2年の運用実績は具体的にいくらか」ということです。それを積極的に開示していないとすると・・・やはり「悪質」と言えそうです。

なおこの会社には伊藤忠やマネックスなどが投資しているようですので、その点は一定の安心感がありますが、しかし逆にそうした会社がバックについているのであれば、なぜ10%前後といった「法外な利息」を払ってまで資金集めをしないといけないのか、全くの謎です。

そうした出資者の信用力を利用すれば銀行から1〜2%といった低利で資金調達をすることなど簡単でしょうからね。

そんなわけで再度リスクをまとめるとこうなります。

1.クラウドクレジット・ペルーの不良債権回収実績 : 不明

2.クラウドクレジット・ペルーの財務状況・損益状況 : 不明

3.(日本の)クラウドクレジット社の財務状況・損益状況 : 不明

4.為替リスクの有無 : あり ※過去2年で約25%の為替差損

5.親会社の資金調達支援 : なし?

要するにリスクが全くの不透明であり、見えているリスクも散々とすれば、果たして10.5%のリターンが適正なのかどうか全く分かりません。そしてバフェット氏の言葉を借りれば「よく分からないものには投資をしない」というのが大人のたしなみだと言えそうです。

逆に言えば、これから同社に投資しようとされている方はこうしたリスクをしっかり調べた上で慎重に判断されることをオススメします。

参考になさってください。

では最後に、いつもご案内しているアヤシイ運用を見分けるチェックポイントはこうなっています。

1.リスクとリターンは連動しており、たとえば毎年5%のリターンなら毎年4%といった損失が、毎年10%のリターンなら毎年9%といった損失が発生する可能性があり、そうした損失発生の可能性を隠しているのであれば詐欺の可能性がある。

2.もし本当にローリスク・ハイリターンのビジネスがあるなら銀行が1%〜2%といった低利で喜んでお金を貸してくれるはずであり、それをわざわざ手間暇かけて個人から高金利で資金を集めるというなら詐欺の可能性がある。

3.「マイナス金利」で運用難の今の時代に本当に有利な商品ならみんなが飛びつくはずであり、わざわざ広告しないといけないのは詐欺の可能性がある。

加えてこちらの記事も参考になさってください。

>>><備忘録>怪しいファンド、投資案件の見分け方

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※ご参考:今回取り上げたサイトの複写です。